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2006.02.22

「不等辺三角形」

   庭に花が咲き誇りました、あるいは何かのことで花束をいただきましたということが年間通して何回もあるかと思います。花束は格好つく形にして根元あたりを輪ゴムで束ねてありますがそのまま花瓶に入れる方もいらっしゃるでしょう。水切りする方は輪ゴムを外し、ばらしてしまったのなら何ヶ所かに生けてみようかと思うことがあるのでは。でもそんな多種の花材をどうやって、という時に「不等辺三角形」の活用をおすすめ致します。花の種類は三種くらいが無難で作りやすいと思います。ポイントとなる花3本(インパクトのあるもの、たとえばユリの類、バラなども)で花瓶に投げ入れ(投げません、挿しますが)で高い低いのリズムをつけて上から見ても正面から見ても不等辺三角形になるように生けます。それよりぐっと低くカスミソウやスプレー咲きのキクやカーネーションを足元に生けます。マッスの感じになりますがあまり広がらない大きさで足元を締めます。あとは、そのマッス越しに効かせ色味の花を奥に置くのです。多くなくても構いません。あまり美しい花の競合は相殺してしまいますのでカスミソウでない花をマッスにした場合はそれこそカスミソウの白、また観葉植物の葉(アスパラガス、ドラセナの類)が入っていればその緑を入れた方がいいでしょう。残った花たちは一種ずつあちこちに小分けして生けるのもいいですね。ポイントとなる花が3本無い時には2本でも大丈夫。手前に長く、斜め奥に短く挿します。ユリだったら複数の花が付いているのでそれを応用すれば3方向に扱うこともできます。

 不等辺三角形は変幻自在に動きを生じます。裏返せば、安定性が無い不安定。その不安定の妙は安定に向けて動いているということです。同じ開き方をした花ばかりであっても高さや方向付けを変えるとそれぞれが自立、自己主張をします。そしてそれらがバランスをとってどの方向から見ても楽しめることになります。作品としてなんか可笑しいという時には記録をとっておきましょう。(スケッチ、メモ、写真など)何がいけなかったのかは独学の方でも経験していく内に判ります。花の扱い自体にあるかもしれないし花器との関係にあるかもしれません。「不等辺三角形」機会があればぜひお試しください。剣山など無い花瓶でも、生け花は楽しいという発見がきっとあります。

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2006.02.14

シクラメンを生けてみましょう

 最近はガーデンシクラメンとか言って小さめながらも寒さに強くお座敷花でなく露地栽培できるシクラメンも登場していますが、シクラメンは冬場の鉢花として実によく見られる花です。赤、白、薄紅色などの花は、つぼみの時はねじれて下を向いているのに花が咲くと上を向いています。鉢花は、株がしっかりしていて葉やつぼみがこれからも続いて育つ(予備軍がたくさん見える)ものを選んで買いましょう。

 シクラメンの花には香りは無いのですが「シクラメンのかほり」という歌があったように香り立つ姿、イメージがあります。しっかりした太い茎に柔らかい可愛い花を付け、葉はハート形で縁はやや縮れています。小品一種生けが良く、大きな作品ではマッスにしたりもします。シクラメンを生けてみましょう。パンジーの時にお話しました根洗いをして株そのままを器に生けてもよいのですが、大きな花鉢があって次々と花を咲かせるものでしたら切り花にして小さな剣山に生けてみましょう。少し大きめでも短くした葉を低く広げて剣山の針が隠れるとよいです。葉でなくても寒水石(白くて小さな小石粒)で隠しても。

 一本の花茎、これはしっかり咲いていて大ぶりのものですが真っ直ぐ立てます。斜め前に咲きかけの一本を立て、やや前方に傾けます。斜め後ろにはまったくのつぼみを短く立てます。この三本は花の位置が正面から見ても上から見ても不等辺三角形になるように。動きが感じとれます。あとは花茎に添わせて葉を生けますが花鉢があればよく観察して参考にしてみましょう。でも少しデフォルメして株そのものでない、生け花としての魅力を発揮させたいものです。遊び葉として、一枚の短い葉を流すようにぐっと傾けてもアクセントになります。もちろん無難にまとめてもよく、器がガラス深鉢、染付けの大皿、外国のお土産品の何かにオトシを入れてなど花器の変化によって印象が変わります。場の雰囲気に合うものを。シンプルで個性を与えていない場には雰囲気を作れるかもしれません。

 短く低めに生けてテーブルなどに置いて上から眺める作品にも向いています。いずれにせよそういう小さな植物が主役になる生け花(普通の大きさの花をアレンジして小さく生けるのではなく)も堂々とした生け花作品であり得るということです。生き生きとした生命はハッとする程に語りかけます。生ける私たちも対話しながら楽しみましょう。

 

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2006.02.05

スイセンをたくさん生けてみましょう

 季節の分かれ目、文字通り「節分」に鬼を追い出して(邪気を払って)立春、暦の上では春です。でも昔から言われているように実際はまだまだ寒い日が続きます。今年は暖冬でもなく、春の予感よりも冬の余寒が身に沁みます。スイセンはすでに終わりに近く、露地では咲き誇っています。越前海岸などのニホンスイセン群生のようにあたり一面というわけにはいかなくてもスイセンをたくさん生けてみるのも楽しいことです。スーパーでなく小さな八百屋さんなどでは店頭で一抱えでとても安く販売しています。確かに生け花用に栽培したというよりは農家の庭から直送というカジュアルさで、葉も広がっていたり折れていたりもあるでしょう。傷んでいる葉をカットして、一株ずつ葉を水拭きしましょう。

 やはり葉組みをしないで産葉のままですが、花と葉を分けて生け合わせましょう。そう、花菖蒲も同じことしました。スイセンは同じハカマに入っているのでハカマの少し上の方で花茎をカット、取り出して花と葉に分けます。一株は、言うなら線的に生けました。これを量的にします。大きな花瓶でなければ剣山があった方がうまくいくと思います。深鉢や民芸篭にオトシ(水、剣山を入れます)を入れたものを花器にしてもいいです。葉のマッスの中にに花の小さなマッスを入れ込みます。立てた自然な形で構いません。そして大きく開いている葉(それでもダランとだらしない感じになっていない、いかにも風に萎れたという風情ある葉をふわっと片側一方向に出します。この葉数枚が効果的でないのであればしない方がいいので、よくよく探してみて見つかったら、でいいです。パターンに合わせるのではなく、できるだけ個性が生かせるようにします。多くの素材からパターンに合うものを見つけることは可能ですが、素材が限られていてうまく合わない時には思い切って違う方面から考え直してみましょう。あるいは類似であっても違う良さが出るように工夫が必要です。似せた失敗作でなく似てるけど捉え方少し変えた発展型になるように。葉のマッスが大きな流れとなって大きく傾いていて花のマッスが覗いて見える作品であるとか、です。

 生け花では年内に生けるスイセンは葉を高く、年越してからは花を高くという風に習いましたが、それは花屋さんに並んでいてはわからないことでした。本当にそうなんだーと、よそのご家庭の玄関先や庭先でも発見できます。また、なぜか我が家の庭よりも外で見るスイセンは新鮮に映ります。寒波、低温なんのその。まるまる着込んでイヤーマフにマフラー、マスク、かなり怪しいスタイルの私は歩き回って観察、観賞させていただいております。

 

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