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2006.01.31

スイセンを生けてみましょう

スイセン(水仙)はよく知られた花だと思います。気品があり凛とした姿のニホンスイセンは(元々はヨーロッパから渡ってきたのですが)実に日本的な風情に溢れています。一本の茎に二枚の葉が向かい合わせに付き、時計周りに茎を巻いています。たまに三枚や五枚になっている葉もあります。俗にハカマと呼ばれる白い筒状のものにその一株が収まっていますが、生け花ではよくそれを一度外してバラバラにして組み直して生けます。でも産葉(うぶは)のまま組み直さないで生けても構わないのです。

 冬のスイセンは一種生け、春のスイセンは花組みして、とも言われますが冬にはそのすっとした佇まいを生き生きと見せたいとの思いがあるようです。また花組みは、ウメなどと合わせることもあったり、スイセンの足元にコギクを生けたりして温か味(春の予感、スイセンの時期も2月くらいまでですが生け花はわずかに先取りしてゆくので早春に)を加えたりします。またそのスイセンがクチベニスイセン(花弁の縁が紅色)やラッパスイセン(大きく咲く黄色)だとさらに春らしい取り合わせができるかもしれません。

 ニホンスイセンを一種生けしてみましょう。一種と言うか一輪生けです。先ほどの一株を生けます。花器は一輪挿しに向くものであれば(ある程度の重量感がり転倒しないと思われるもの)素材が陶器、磁器、ガラス、あるいは竹筒、長コップ、その他自作の何でも構いません。産葉のままですが葉をきれいに水拭きして、茎に添わせて時計周りに巻きます。雑巾絞りのようにぎゅーっとしなくて普通に巻き、ティッシュペーパーで留めておいてから生けます。葉を組み直さないのですが、付いているハカマは短くても破れないように大切に。特にガラスなどで透けて見える花器に輪ゴムでまとめたものが見えると興ざめです。立てるのであれば株の底は真っ直ぐ、傾けるのであれば斜めに水切りします。小さい作品ですので、もう置く場所で生ける方がよいでしょう。花器に挿してからティッシュペーパーを取り、ポイントを見つけましょう。葉はジワーっと広がって自然な姿に戻ってゆきます。その場に溶け込みながらも存在感ある友だち、気高くやさしい友だち、できましたか。もうすぐ立春ですが実際は冬の寒さが居座っています。でもモコモコ丸まっていずにシャンとして行こうね、と語りかけ、励まされそうです。

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2006.01.24

年頭所感

 気が付けば年が明け、一月も去ろうとしています。正月の花(2)を書いた日に実父が亡くなり、およそ一ヶ月、ブログに関わる気になれず過ごしていました。ようやく心身の落ち着きを取り戻した感じがしています。私の年齢で両親を送ってしまった人は少なくないのですが、自分でも考えられないさびしさに襲われ体調さえも崩していました。人の心の温かさ(思いやり)と清らかな花の姿がそんな私を支え励ましてくれました。年明け最初、ブログ書き始めからちょうど一年という節目に明るい話題でなく残念です。それでも、だからこそ、何やら使命感のようなものが溢れている気がして(大袈裟ですが)また書くことを始めました。

 「それぞれの人にそれぞれの花、それぞれの時にそれぞれの花。花のある生活は、花あるすべての人のために。このサイトにお越しいただきありがとうございます。」というメッセージを、私とは似ていない可愛い女の子にブログの端で言ってもらっています。花ある人、とはすべての人です。「あの人には花がある」という一般的な言い方の「花」(「華」の方がいいかもしれないです)でなく、すべての人が持つ花、個性。世界に一つだけの花、という歌がヒットする前の前からそれは生け花では普通のこと。それぞれの時、というのも、「若い内が花」「花盛り」の時ばかりが花ということでもなく、花が無い時の裸木の頃、芽吹く頃、青葉若葉の頃、つぼみの頃もすべて花ある頃でありこの世の春、花開く頃とはまた違った花ある時期です。すべての良さを発見して感動すること、認め合うこと、生かすこと、それらを人生と重ね合わせていくことが生け花から学んだ大きな事柄です。技巧も必要ではあるけれど懸命な思い、心の研ぎ澄まされようが大切と思います。またそれは堅苦しく説教がましいことでないとも思うのです。

 昨年に限らないのですが現象となって露呈されている社会的な大きな事柄、その自然現象でない部分、人が介在してのことについては、まさに精神性の劣化を嘆かずにいられません。さらに嘆くばかりでは発展はありません。自分にできることは何だろうと考えた時、「花のある生活」これを続けて行こうと思いました。生け花に何ができるかというと、また自分ではさらに大きなことは望めないのですが今の自分の心を信じてやっていこうと思います。明るくわかりやすい、生活に根ざした生け花のススメをご提案致します。稚拙な表現もあってエッセイでない部分がわかりにくいかもしれません。近い将来、ビジュアル化の予定です。初めての方には「何!?」という年頭所感ですが、私は気持ちの中でニコニコと大きく手を振っております。何回もお越しくださった方には感謝しておりますし今後ともよろしくお付き合いくださいますようお願い致します。そして皆様方、公にも私的にもすべてに明るい年となりますように。

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